2010.01.08
【参考資料】電気自動車「シボレー・ボルト」とは?
最新鋭のバッテリー
自動車業界は今、ガソリンを動力源とする乗用車やトラックから、電気自動車へと開発の軸足をシフトしつつあります。こうした変革の鍵となっているのが、バッテリー技術の急速な進歩です。シボレー・ボルトは、2010年後半に生産開始予定で、ガソリンを使わず、排気ガスを排出せずに、最大40マイル走行することが可能です。
ゼネラルモーターズ(GM)ではリチウムイオン電池に対して幾度もテストを重ね、リチウムイオンセルや制御ハードウェア、シボレー・ボルトの電池パックに必要な構成部品の製造可能性について、技術的理解を深めてきました。GMでは、今日のパワートレイン同様、高度なバッテリーの開発と製造技術が、今後の自動車業界の中核となっていくと確信しています。GMは現在、米国内のボルト用電池パック組み立て工場をはじめ、当社のバッテリー戦略を支える生産能力とリソースの構築を急ピッチで進めています。ボルトの電池パックは、LG Chem社製の電池セル、主要電気部品、ハードウェア等で構成されます。
リチウムイオン電池を選択した理由
現在、市場に出回っているハイブリッド電気自動車(HEV)のほとんどは、ニッケル水素(NiMH)電池を採用しています。一方、シボレー・ボルトは航続距離延長型電気自動車(E-REV)と呼ばれ、200個以上のリチウムイオン電池から成るGM製リチウムイオン電池パック(16kWh)で駆動します。リチウムイオン電池はニッケル水素電池よりも小型ながら、2~3倍もの出力を発揮します。
シボレー・ボルトに搭載されるリチウムイオン電池パックの重量は400ポンド(181.4kg)程度ですが、16kWhもの電池容量を備えています。
バッテリーによる駆動の仕組み
ボルトのリチウムイオン電池は、走行中、常に充電されるように制御されます。バッテリーをこのように制御することで、バッテリーの寿命を縮める完全充電または完全放電を避けることが可能です。シボレー・ボルトの場合、最初の40マイルまでは、完全充電されたリチウムイオン電池パックにより、電気モーターが駆動します。走行中は、制動時(ボルトは回生ブレーキを搭載)に得られたエネルギーが電気に変換され、電池パックに蓄えられる仕組みになっています。
バッテリーの充電量が最低レベルまで減少すると、「レンジエクステンダー」モードへとスムーズに切り替わります。このレンジエクステンダー・モードでは、フレックス燃料で駆動する小型エンジン発電機が作動し、クルマを最適な速度で走行させながら、最低限の走行条件に必要な電気モーターの駆動電力を生成します。
バッテリーには、回生ブレーキからのエネルギーやレンジエクステンダー・モードでの走行中に生成された電気が継続的に蓄積されます。エンジン発電機は、こうして蓄えられたエネルギーを活用することで、必要に応じて最大限の走行パフォーマンスを発揮することができます。
ボルトは、ガソリン燃料の使用を最小限にすること、またはゼロにすることを目指しているため、エンジン発電機がバッテリーをフル充電することはありません。バッテリーをフル充電するには、車両を電気コンセントにつなぐ必要があります。電気によるエネルギーコストは、ガソリンのそれと比較して約6分の1で済むため、電気コンセントによる充電が最も低くコストを抑える方法です。充電時間は、120Vのコンセントで約8時間、240Vでは3時間未満です。
安全性
LG Chem社の電池セルは、マンガンベースの陰極構造に添加剤を加えることにより、高温下での電池寿命の延長に成功しています。LG Chem社が独自に開発した安全強化セパレーターは、電池内の各電極を隔てる半透過性の膜から成り、一般的に使用されているセパレーターと比べ、機械的にも熱的にも優れています。
耐久性
シボレー・ボルトのバッテリーは、ポリマーで被覆されたアルミニウム・パッケージに格納されています。このアルミニウム・パッケージは熱効率と安全性が高く、厳しい環境に耐え、バッテリー冷却システムのコストを削減し、複雑性を緩和するよう設計されています。
電池セル
ボルトの電池パックは、200個を超える電池が集まって、ブロックのような形状を構成しています。個々の電池サイズは、12.7センチx17.7センチとおよそ写真立てと同じ大きさで、厚さは約6ミリ、重さは約0.5キログラムです。
ボルトのバッテリーは、市販のバッテリー寿命が1~3年であるのに対して、これより遥かに長い使用期間に耐えられるよう設計されています。自動車のバッテリーとしての役割を終えたとしても、自動車以外の用途に再利用でき、この場合、さらに5~10年もの利用に耐えられます。
以上

