2007.11.14
シボレー・インパラSSの勝因は?
GMレーシング、ケビン・ベイレス インタビュー
米デトロイト発 - 2007年のNASCARネクステルカップは、モータースポーツ界に数多くの変化をもたらす1年であった。その中でも最も代表的なものがレースカーに導入された新規則だろう。シーズン最終戦がフェニックス・インターナショナル・レースウェイで行われるが、このレースに出場するシボレーの新世代モデルがインパラSS。マニュファクチャラー4社が新規にエントリーするマシンの中では、紛れもなく最も成功を収めたマシンである。新型が導入されたレースで15戦12勝、ポールポジション10回獲得という素晴らしい成績を残してきた新型インパラSSは、チーム・シボレーに過去最多タイの今季25勝をもたらした。好成績の要因には、インパラSSと引退するモンテカルロSSをシーズンを通じて巧みに調整しながら使いこなしたことや、新型エンジンであるシボレーR07に切り替えたことが挙げられる。ドイツ、ケルンにあるグローバル・モータースポーツ・コングレスで行われたプレゼンテーションにおいて、GM レーシング・オーバルトラック・シャシー/エアロプログラムマネージャー、ケビン・ベイレスが、インパラSSについての詳細や今シーズンの活躍ぶりを語った。
Q. ネクステルカップの新世代マシン、インパラSSのデビューシーズンを振り返っての評価は?
A. 好調なスタートを切ることができたのは、GMレーシングとシボレーチームが共に、新型マシンの開発プロセスに早くから取り組んできたことに尽きる。GM は、安全面そして全体的なデザインという両側面においてかなり早い段階から関与し、NASCARと協調しながらマシンの開発に取り組んできた。要請があった場合にはフィードバックを行い、可能な限りプログラムを段階的に進展させた。いったん案が固まり、形が見えてきたと思ったと同時にキーパートナーのチームが参加しての開発作業がスタートし、さまざまな空力解析ツールを使ったテストや風洞実験、サーキットでの実車走行など、広範なテストプログラムを実施していった。こうした先手を打つ手法が、他チームと比べてかなり有利なスタートへとつながり、デビュー後すぐに好成績が出せた要因だと思う。
Q. 今シーズンは驚異的な成績を収めたが、今後、さらにシボレーが改良される余地はあるか?
A. 向上の余地があるかというより、向上させる必要があると思う。今の状態や、これまでの栄光に満足しているようでは駄目だ。熾烈な競争は近づきつつある。十分に準備して新型マシンを導入できたからこそ、若干有利なスタートが切れただけの話であって、他のチームは我々に追いつきつつある。さらにマシンの開発を進め、アドバンテージを保っていけるかどうかは我々の今後の努力次第だと思っている。
Q. GMレーシングが特にこだわっているのはどの部分か?
A. 空力特性やシャシーのファインチューニング、そしてR07エンジンの継続的な開発、このあたりを並行して取り組んでいくことになると思う。今後、大きな改良の余地はもう残されていないだろうから、全領域を万遍なく取り組んでいく必要があると思う。私自身、目ぼしい部分にはほとんど手を付け、やり尽くした感がある。だから、これからは細かいところまで掘り下げ、改良点を探っていくことになるだろう。例えば、ダウンフォースの向上、抵抗や摩擦の低減、メカニカルグリップの確保など、わずかでも改善できるようこれらについてはすべて取り組んでいくつもりだ。
Q.シーズン全体を通じ、今後に活かしたい教訓や変更点はあったか?
A. 唯一、予想外だったのはインフィニオン・レースウェイで、我々のチームのひとつが規定のグレーゾーンに当てはまることがNASCARで明確になったことだ。これまで常にチームとして当たり前にやってきたことが、もはやフェアではないということになった。そのことによってチームの皆が後退を余儀なくされ、開発プログラムを見直す必要に迫られた。
Q. インパラSSの強さはどこにあったのか?
A. CoT(Car of Tomorrow:新車両規定)導入が開始された3月のブリストルでのレースまでに十分な時間をかけて準備してきたことが、我々の大きな勝因になったと思う。インパラSSで出場した最初の6戦で全勝したという結果を見ればわかる。これは、他チームよりも入念に準備し、マシンの癖を把握し、新しいパッケージングから最大限のパフォーマンスを引き出すためには何を追求すればいいのかを、よく理解していたからに他ならない。だからこそ、他チームに比べマシンの性能をより高めることができた。
以上

