2005.10.05
TMS2005 コルベット/Z06
コルベット
ゼネラルモーターズ・アジアパシフィック・ジャパン株式会社(所在地 東京都渋谷区、代表取締役社長 ジェイ・ハント、以下 GMAPジャパン)は、第39回東京モーターショーにおいて、2006年モデルのコルベットコンバーチブルと日本に新たに導入されるコルベットZ06を公開する。
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2006年モデル コルベットの主な特徴
・クーペおよびコンバーチブルに、6速パドル・シフト付オートマチック・トランスミッションを装備
・直径370mmのステアリング・ホイールの採用
・GMパッセンジャー・センシング・システム付き、先進型フロント・デュアルステージ・エアバッグ
・2色の新ボディー・カラー。ベロシティ・イエロー・ティントコートおよびモンテレー・レッド・メタリック・ティントコート
・チタニウム・グレーの新内装色
・コンバーチブルのソフトトップの新色ストーム・グレー
コルベットZ06の主な特徴
・コルベットZ06固定ルーフ・ハッチバック・クーペ
・LS7 7.0リッター(427立方インチ)V型8気筒エンジン、最大出力505hp(377kW)、レッドゾーン7,000rpm
・フロント P275/35ZR18、リアP325/30ZR19のグッドイヤー・イーグルF1タイヤによる優れた機動性
・フロント18×9.5インチ、リア19×12インチの5本スポーク塗装アルミホイール(ポリッシュ・ホイールも選択可能)
・上部にエア・インレットを備えたフロント・グリル、特製グリル、フェンダー、およびリア・スポイラーといったユニークな外観
・4インチ径ポリッシュ・ステンレス製テールパイプ付き、3インチ径アルミナイズド・ステンレス鋼製デュアル・モード・エキゾースト
・「Z06」の刺繍付きレッドまたはグレーのアクセントをあしらったスペシャル・エボニーのシートも選択可能
・マグネシウム製エンジン・クレードル付きオールアルミ・フレーム構造材
・カーボン・ファイバー製フェンダーおよびフロア・パネル
・ドライ・サンプ潤滑システム、エンジンオイル・クーラー、パワステオイル・クーラー、ミッションオイル・クーラー、およびデフオイル・クーラー
・重量配分を改善するため後部に積載されたバッテリー
・6ピストン・キャリパーとクロス・ドリルのローターからなるフロント・ブレーキおよび4ピストン・キャリパーとクロス・ドリルのローターのリア・ブレーキ
・フロント・スプリッター、フロントおよびリアのホイールアーチの拡大
2006年型コルベットZ06が正式発表、クーペとコンバーチブルに新型6速オートマチックも選択可能
2006年モデルイヤーは、505hpを誇るZ06がスポーツカーの世界に加わった年として記憶されるであろう。505hpのLS7型7.0リッター・エンジン、レースの血脈を受け継ぐサスペンション、ハイドロフォーム成形のアルミ・フレーム、さらにユニークなボディ・デザインを備えたZ06は、コルベットの53年余におよぶ歴史上、最速かつ技術的に最も進化したモデルである。
また、2006年モデルのクーペおよびコンバーチブルも、電子制御6速パドルシフト付オートマチックトランスミッションを備え、大きく性能が向上している。このトランスミッションはドライブ、スポーツ、およびパドル・シフトの3種の動作モードを備えており、オーバーオール6.04:1のワイドなギア比が圧倒的な加速性能と好燃費を両立している。
2006年モデルのコルベットに施されたその他の変更点としては、新しい3本スポーク370mm径のステアリング・ホイールがある。このステアリングは従来モデルよりも小径化されており、ドライバーによりクイックなフィーリングを与え、ターン・インでのレスポンスを向上している。3本スポークのデザインは、パフォーマンス志向の他のシボレー車にも採用されているスポーティーなデザインが特徴である。2006年モデルのコルベットに加えられる変更点は次の通り。
GMパッセンジャー・センシング・システム(PSS) ― 従来のエアバッグ手動コントロール・スイッチに替えて、発展型デュアル・ステージ・フロント・エアバッグ装着の2006年モデル・コルベット全車に装備。PSSは最新のセンシング技術を利用し、前席用エアバッグのオン/オフを制御する。センサーシステムが助手席に誰も座っていないこと、あるいは小柄な人物が座っていることを感知すると、前方衝突時にも作動しないように自動的にスイッチが切られる。助手席エアバッグのオン/オフはルー
ム・ミラーに表示される。
新ボディー・カラー ― ベロシティ・イエロー・ティントコートおよびモンテレー・レッド・メタリック・ティントコートが、ミレニアム・イエローおよびマグネティック・レッド・メタリックに代わりコルベットのボディー・カラーに加わった(モンテレー・レッド・メタリック・ティントコートはZ06には用意されない)。新インテリア・カラー全3色 ― チタニウム・グレーがコルベットの内装色に追加。
コンバーチブルのソフトトップ色 ― グレーに替わり、ストーム・グレーがソフトトップ色の選択範囲に加わった。
6速パドル・シフト付オートマチックの詳細
新型の電子制御6速パドルシフト・オートマチック・トランスミッションは技術的に業界で最も進歩したものであり、クラッチ・トゥ・クラッチ・モード、マニュアル・コントロール・モード、および32ビット電子コントローラーを備える。オーバーオール6.04:1のワイド・ギアレシオによって、ドライバーは今までにない加速性能と優秀な燃費性能をともに味わえる。
前進6速のギア比はクロスされており、加速性能となめらかな走行感を強化。クロスレシオにより、1速のギア比を低くすることも可能になった。従来の4速オートマチックの1速のギア比3.06:1と比較して、この6速ミッションの1速ギア4.02:1の生み出す加速感は圧倒的。5速と6速はオーバードライブとなっており、それぞれ、0.85:1および0.67:1のギア比である。新型トランスミッション装備のコルベットの最終減速比は2.56:1となっている。
2種類の電子制御オートマチック・モード、「ドライブ」と「スポーツ」、さらにマニュアル・モードのパドル・シフトを見れば、このミッションの技術的洗練度は明らかである。「ドライブ」モードはあらかじめ決定されたシフト・スケジュールに従い一定のシフトポイントでギアを変更するが、「スポーツ」モードではパフォーマンス・アルゴリズム・シフティング(PAS)を使用可能。これは、コントローラーが高性能を必要とするドライビング・スタイルを感知すると、PASがシフトパターンをモデ
ィファイするというもの。「ドライブ」モードではシフトはなめらかさに重点が置かれているが、「スポーツ」モードでは高性能発揮のための決然としたシフトパターンを使用可能である。「パドル・シフト」モードの場合は、ギア・チェンジはステアリング・ホイール上のパドル・スイッチでマニュアル制御される。
パドルシフト付6速オートマチックトランスミッションのパフォーマンスと機能は、組込型コントローラーによって制御されている。機構を複雑にしないために、このコントローラーはトランスミッション内部に配置されている。新型の300mmトルク・コンバーター、新型リア・ベルハウジング、新しいドライブライン・サポート、および長さを見直したドライブシャフトもまた、このトランスミッションがコルベットと一体化するのに一役買っている。
クーペとコンバーチブルについて
2006年型コルベットの新しい特徴および改良点により、2005年に全面改良されたこのスポーツカーの価値はさらに高められた。このクルマは、毎日の通勤であろうと週末のレースであろうと、いかなる環境にも融けこむことのできる能力を持った高性能車である。クーペおよびコンバーチブルは、404hp(297kW)の最大出力と55.6kg・mの最大トルクを発生するLS2型6.0リッターV8エンジンを搭載。このエンジンは、前後重量配分がほぼ理想的な50:50になるようなトランスアクスルと組み合わされる。トランスミッションとしては6速マニュアルと、新型のパドル・シフト付6速オートマチックも選択可能。フロントとリアの不等長アーム・サスペンションはコルベットの歴史上最も強くレースの影響を反映したものとなっている。
ドラマティックなフェンダーの造形や固定式ヘッドランプが、グリル形状とも相まって、個性を強力にアピールしている。一方、絞り込まれたリアデッキとよびリアのフェイシアは高速性能に貢献している。無駄な部分をそぎ落としたリア・デザインのなかで、丸いテールランプとセンター配置のエクゾーストが見る人の目を引きつける。固定式のキセノンHIDヘッドランプが優れた照射性能を発揮している。CD値0.286のクーペは、歴代コルベットの中で最も優れた空力性能を誇っている。
標準装備のソフトトップは、両タイプとも5層構造の布製で、クローズした際にソフトトップが型くずれせずにピンと張るように構造材を内蔵している。このことはまた、優れた空力性能を損なわずに走行音を減少するのにも役立っている。
コルベットのインテリアは伝統のデュアル・コックピットが受け継がれている。高品質の素材とクラフトマンシップ、および機能性がスポーツ・ドライビングの強化手段としてのプレミアム・クオリティの一部を構成している。インストルメント・パネルおよびドアは、パッドをレザーで包み込んだように見える、発泡成型のトリム材を採用。暖かく魅力的な雰囲気で、しかも従来のトリム素材と比較して寿命は2倍に達する。
CDプレーヤー付AM/FMラジオとMP3再生機能を標準装備。在来型のラジオも新技術によって受信能力が強化されている。日本仕様にはBose製プレミアム7スピーカーサウンドシステムとDVD式VICS対応GPSボイスコントロールナビゲーションシステムが標準装備されている。
コルベット・クーペおよびコンバーチブルはハイドロフォーミング成形のスチール製バックボーンフレーム、芯材で強化された複合材製フロア、閉じられたセンタートンネル、後部搭載のトランスミッション、およびアルミニウムで構成されたコクピット構造を備えている。サスペンション・クレードル、コントロール・アーム、ナックル、スプリング、ダンパー、ブッシュ類、スタビライザー、およびステアリングギアはすべて再設計。新型のグッドイヤー・エクステンデッド・モビリティ・タイヤ(EMT)は最新のサイドウォール設計およびコンパウンド技術によってランフラット性能を獲得している。
マグネティック・セレクティブ・ライド・コントロール付きサスペンションは、磁気流動ダンパーを備え、路面の凹凸を感知し、ほとんど瞬間的にそれに合わせてダンピング・レートを変動させ最適な乗り心地を提供することができる。このシステムによって、「ツーリング」セッティングと「スポーツ」セッティングの差別化がさらに明確になっている。
コルベットZ06について
2006年モデル・コルベットZ06には、市場でも最高の費用対性能比を誇るクルマとしての前例のない能力とテクノロジーが盛り込まれている。また、一目でそれと分かる力強い外見から、2006年型Z06は地球上のいかなるライバルの挑戦をも、いつでも受けて立つ用意が出来ているといった自信に満ちた雰囲気がある。
コルベットのチーフ・デザイナーであるデイブ・ヒルは、「新しいZ06は耐久レースでの素晴らしい成功から得られたいわば配当なのだ。新しい第6世代コルベットの属性をレース・プログラムの精神、技術、勝利のノウハウと結びつけることで、このアメリカ製スーパーカーに抜群の資格証明書を付けたことになる」と語った。
Z06の新しいLS7 7.0リッター・エンジンは、505hp(377kW)を発生し、1,420kgの車体を駆動する。この組み合わせから、0-96km/h加速は4秒以下、0-400m加速タイムは12秒以下、そしてサーキットでの最高速は300km/h以上に達すると期待されている。
生産型のZ06は来るべきC6-Rと関連して開発が進められたので、直接間接にレースと関係がある。しかし、単にそれだけではなく、サスペンション・ジオメトリーからエアロダイナミクスまで、耐久レースで数え切れない周回数をこなす中でしか得られない教訓を反映させているのである。エンジニアたちがZ06で開発したのは、他のコルベットとは一線を画すパワートレイン、ボディー構造、シャシーシステムを備えた完全に新規の車両なのである。実際に、Z06はコルベット・クーペおよびコンバーチブルとは異なるボディー構造を持っている。
これまでのZ06は、1963年のオリジナル・モデルから2001-2004年バージョンに至るまで、すでに存在しているコルベットのシステムの上にサスペンションおよびエンジンの両方またはどちらか一方のアップグレード版を組み込んで補完したものであった。2006年型Z06のように完全に作り直されたZ06は過去のモデルにはなかったのである。次はその仕様の一部である。
・ 内部往復動コンポーネントを軽量化した、LS7 7.0リッター、Gen IV V8エンジン
・ 最大出力505hp(377kW)/6,300rpm
・ 最大トルク470lb.-ft.(637Nm)/4,800rpm
・ レッドゾーン7,000回転以上
・ チタニウム製コンロッドおよびインテーク・バルブ
・ ドライ・サンプ・エンジン潤滑システム
・ ハイドロフォーミング成形一体型ペリメーター・レール・フレームによるアルミ構造、マグネシウム製フロント・クレードルおよびルーフパネル
・ ボディー剛性とエアロダイナミクスに有利な固定ルーフ構造
・ カーボン・ファイバー製フロント・フェンダー、フロント・ホイールハウス、およびフロア・パネル。
・ 大型グリル、エア・スクープ、および下部エアー・スプリッターからなるユニークなフロントエンド
・ ワイド・ボディのリア・フェンダー、およびハイマウント・ストップランプ(CHMSL)付きのユニークなリア・スポイラー
・ 6ポット・キャリパーと巨大な355mmのクロス・ドリル・ブレーキ・ローターを備えたフロント・ブレーキ。同じく、4ポット・キャリパーと340mmクロス・ドリル
・ブレーキ・ローターを備えたリア・ブレーキ
・ 275/35ZR18タイヤと18インチ9.5Jホイールを組み合わせた前輪、 325/30ZR19タイヤと19インチ12Jホイールが組み合わされた後輪
・ バイモード・マフラー付き3インチ径エキゾーストと、さらに大径のステンレス製ポリッシュ仕上げテールパイプ
・ エンジン、トランスミッション、デフ、パワステの各オイルクーラー
・ 重量配分を改善するため後部に積載されたバッテリー
・ 新設計のメーター・クラスター、サポート性を高めたボルスター付きツートン・カラー軽量シートを含むユニークなインテリア
・ 自重1,420kg(計画値)
・ コルベットの他モデルよりも76.2mm幅広の全幅
LS7エンジン
Z06搭載の完全に新設計のLS7エンジンはコルベットのラインナップに「427立方インチ」を再登場させた。ただし、ビッグ・ブロック設計であった以前の427エンジンとは異なり、この新型7.0リッターLS7はスモール・ブロックV8である。これは、シボレーおよびGMが製造した中で最大のスモール・ブロックであり、高性能エンジンの代名詞としての50年の歴史を飾るのにふさわしいエンジンである。
また、最大出力505hp(377kW)と最大トルク637Nmを発揮するこのエンジンは、シボレー部門を含むGMが製造した乗用車用エンジンとしては史上最もパワフルなものでもある。LS7は赤く着色されたエンジンカバーと黒い文字によって、ボンネットを開けるとすぐにそれと分かる外観を与えられている。LS7はGen IV V8構造を基本としている点では他のコルベットが搭載する6.0リッターのLS2エンジンと共通している。しかし、LS7は独自の一体成型シリンダー・ブロックに鋼製のシリンダー・ライナーを圧入した構造により、LS2の101.6mmを大幅に上回るボア・サイズ104.8mmを可能にしている。また、LS7はLS2とは異なるフロント・カバー、オイル・パン、エクゾースト・マニフォールド、およびシリンダー・ヘッドを備えている。
内部的には、LS7の往復動コンポーネントが、チタニウム製軽量コンロッドおよびインテーク・バルブを始めレース現場から持ち込まれた軽量化技術を使用して、馬力と回転数の向上に貢献している。なお、燃料カットオフ回転数は7,000rpmである。LS7の詳細は以下の通り。
・ ドライ・サンプ潤滑システム
・ 圧入シリンダー・ライナーにより104.8mmのビッグ・ボア・サイズを実現した、ほかに例を見ない一体成型シリンダー・ブロック
鋼製鍛造メイン・ベアリング・キャップ
・ 鋼製鍛造クランクシャフト
・ ストローク101.6mmのチタニウム製コンロッド
・ 平面状ピストンクラウンのアルミ鋳造ピストン
・ 圧縮比11.0:1
・ ハイリフト・カム
・ レース現場から持ち込まれた、CNCポート加工済みアルミ・シリンダー・ヘ
ッド、チタニウム製インテーク・バルブおよびナトリウム封入エクゾースト・バルブ
・ 低抵抗吸気システム
・ ユニークな「クアッド・フロー」排気集合部フランジとハイドロフォーミング成型のエキゾースト・マニフォールド
LS7に盛り込まれたレース起源の技術の最も明確な実例はチタニウム製コンロッドの採用である。部品単体重量わずか464グラムで、LS2型V8のコンロッドと比較して約30%の軽量化が達成されている。軽量であることから、高回転時の性能が向上するとともに回転数の上限が上がっている。またチタニウムはコンロッドの耐久性を飛躍的に高めている。
LS7の、ポートをCNCで加工したアルミ・シリンダー・ヘッドは完全な新設計で、排気量7.0リッターのエンジンが要求する大量の空気の流れを妨げないように設計されている。コルベット搭載の6.0リッターLS2型V8エンジンと比較して、毎分約100立方インチ多い空気を吸入するのである。ちなみに、これはLS2の吸入量の18%増しである。さらに、大量の空気の吸入および排気を可能にするために、バルブ・リフト量0.591インチ/0.591インチの油圧ローラー・カムシャフトが使用されている。
必要な量の空気がスムーズに吸入されるよう、LS7のシリンダー・ヘッドは直線状のトンネル型吸気経路を備えている。これは、生産車の基準ばかりか競技車両の基準からしても、かなり大型のもので、吸入気の流速を高く保てるよう設計され、低回転域の豊かなトルクと高回転域での胸のすくパワーをもたらしている。シリンダー・ヘッドは容積70ccの燃焼室を備えているが、この燃焼室に吸入気を供給するのは直径56mmにもおよぶ巨大なチタニウム製吸気バルブである。このバルブは、LS2のステンレス製バルブと比較して、バルブ・ヘッド面積が22%増加しているにもかかわらず、21gの軽量化を果たしている。排気側には、LS2の直径39.4mmのものに代え、直径41mmのナトリウム封入排気バルブが使用されている。大径化されたバルブ・フェイスを収めるために、シリンダー・ヘッドのバルブ・シートは大径化され、バルブ挟角もLS2の15度に対して12度と狭められている。これらは、ポートを通過する流量の確保のために取られた対策である。
LS7はドライ・サンプ潤滑システムを備え、コルベットZ06が生み出す巨大なコーナリング・フォースの元でもエンジンを完全に潤滑するよう設計されている。エンジン・コンパートメントに配置された容量8クォートのリザーバー・タンクから、通常のエンジン下部でオイルを吸い込むものと同じタイプのオイルポンプに、一定圧力のオイルが供給される。オイルを加圧して供給することによって、1Gを超えるコーナリング・フォースのもとでも、オイルの供給切れが起きない。
オイルはエンジン内を循環したのちオイル・パンに落下し、回収ポンプからリザーバーに戻される。大容量のリザーバー・タンクと高効率の空冷式オイルクーラーの相乗効果により、高出力エンジンが要求するオイル冷却性能が確保されている。このように、ドライ・サンプ潤滑システムではオイルはリザーバー・タンクからエンジンに供給されるため、オイル・レベル・ゲージのディップ・スティックはリザーバー・タンクに取り付けられている。
LS7のドライ・サンプ・システムはアメリカ国内およびドイツのニュルブリンクリンクを含むヨーロッパのサーキットで開発とテストが行われた。コルベットZ06のこのような高性能潤滑システムは、レーシング・カーにおいてはあたりまえであるが、市販車用としては稀であり、生産型コルベットとしては唯一のものなのである。Z06のドライブトレインおよびシャシー
コルベットZ06のパワートレインおよびドライブトレイン・システムはLS7の高性能にマッチしたものである。排気は、軽量の4into1排気マニフォールドから、エンジンに接近して取り付けられた触媒コンバーターを介して、?バイ・モーダル?マフラーへと導かれる。このマフラーは、圧力作動の排気バルブを備え、低負荷時の排気音を抑制しつつ、最大出力時にはバルブが開いて背圧を下げるのである。
LS7エンジン後部のシングル・マスのフライホイールおよび軽量大容量クラッチが後部のトランスアクスルにトルクを伝達する。6速マニュアル・トランスミッションは、LS7の増大したトルクを受け止めるために強化されている。トランスミッションには、冷却のためトランスミッション・フルードをフロントのラジエーターまで送るポンプが備えられている。トランスミッションに戻される前に、フルードはデフ・オイルから余分の熱を取り去る役割を担っている。この6速ミッションは、大型化された
リング・ギアとピニオン・ギアを備えるリミテッド・スリップ・デフに結合されている。タフなユニバーサル・ジョイントを備える頑丈なハーフシャフトが、リア・ホイールへと動力を伝達する。
Z06の固定ルーフ・クーペ・ボディは、適切なボディー剛性と軽量性を両立する独特のアルミ・ボディ構造を採用している。ハイドロフォーミングによって一体成型されたペリメーター・フレームは、他のコルベットでは溶接取り付けされている多くの鋼製部品ではなく、鋳込まれたサスペンション取り付け点を持つ。その他にも鋳造、プレス加工、および押し出し成形が最新の生産技術によって、先進的構造の中に組み入れられている。
また、カーボン・ファイバーを使用した先進複合構造材がアルミ・ボディに接合して使用されている。一例を挙げれば、幅が拡げられたフロントのホイールハウスはカーボン複合材製であり、乗員室フロアのコンポーネントは超軽量のバルサ材の芯材をカーボン・ファイバーで包み込んだものである。
また、Z06はエンジンおよびフロント・サスペンション部材の一部の取り付け点として使用されるクレードルにマグネシウム材を採用している。マグネシウムはアルミニウムよりも軽量なのにもかかわらず、強度的には勝っている。このマグネシウム製クレードルは、カーボン・ファイバー製のフロント・フェンダーおよびホイールハウスと同じように、前後重量配分の均一化に貢献している。エンジニアはまた、バッテリーをフロントのエンジンルーム内から、後部トランク・ルーム内への後輪の後ろへと移動させた。
上記のようにさまざまな手段で重量は軽減されているが、いくつかの高性能装備、たとえば、ドライ・サンプ潤滑システム、排気バルブ付きエクゾースト・システム、サイズアップされたホイールとタイヤ、大型化されたブレーキ、同じく大径化されたスタビライザーといったものによって、軽量化がいくらか相殺されている。
サスペンションおよびブレーキ
Z06はコルベット他モデルと同じく2,685mmのホイールベース、不等長アームのダブルウィッシュボーン・サスペンションおよび横置きリーフ・スプリングを備えている。しかし、ホイール、タイヤ、ブレーキ、リア・サスペンション・スプリングおよびスタビライザーは独自のものに改められた。
コルベット用に提供されたものとしては最大のタイヤとホイールの組み合わせ、すなわち、18×9.5Jサイズの遠心力鋳造アルミホイールと275/35ZR18タイヤを組み合わせた前輪、19×12Jサイズの遠心力鋳造アルミホイールと325/30ZR19タイヤを組み合わせた後輪が、固めのサスペンションと一体化して働くのである。これらのタイヤは、グッドイヤー社の提供する最新技術エクステンデッド・モビリティを採用しており、満足すべき乗り心地と横Gが1Gを超えるハードなコーナリング時でもグリップを
保つ高性能を両立している。そればかりか、これらのタイヤはランフラット・タイヤであり、スペア・タイヤとジャッキあるいはパンク修理剤の必要性とその分の重量をなくし、さらに、走行中のパンクによって突如ハンドリング性能が損なわれる危険をも除去しているのである。
サスペンション・システムの性能と大きなロール許容量を補完しているのが、同じく高性能の4輪ディスク・ブレーキ・システムである。このブレーキ・システムは、フロントの355mmベンチレーテッド・クロス・ドリル・ローターと、リアの340mmベンチレーテッド・クロス・ドリル・ローターからなっている。これは、コルベット・クーペおよびコンバーチブルの前後ローターサイズがそれぞれ325mmと305mmの組み合わせ、同じく2006年型コルベットのZ51オプション・パッケージ装備車の340mmと330mmの組み合わせから見てかなりの大径化と言える。
フロント・ローターは赤くペイントされた6ポット・キャリパーと組み合わされるが、このキャリパーは6つのピストンごとに独立したブレーキ・パッドを備えている。これは、2枚の長いパッドを使用した場合に比べて、パッドの減りが均一になるためである。リア・ブレーキも同様に、4枚の独立したパッドを使用する4ポット・キャリパーが装備される。さらに、デルファイの4チャンネルABSが使用されるが、これには?コンペティティブドライブ?モードが備えられ、極めて有効なアクティブ・ハンド
リング・コントロール・システムとしても働く。
大型化されたブレーキはZ06に強力なストッピング・パワーを与えているが、さらに、4輪ブレーキ冷却システムが優秀な耐フェード性能とサーキット・ユースでのブレーキ・パッドの長寿命をもたらしている。
特徴あるデザイン
新型Z06は一目でそれと分かるアグレッシブな外観を持っている。デザイン上の特徴として以下のようなものがある。
・ 大型のグリル開口部、下部のスプリッター、およびダウンフォースを生む両サイドのガーニー・リップを備えた幅の広いフロント・フェイシア
・ エンジンの吸気システムと統合され、ボンネット前面に備えられた冷気取り入れ用エア・スクープ
・ 抵抗を軽減することを考慮してデザインされたフロントのホイールハウス後端には、ボディー表面を飛び石から保護するための強化モールが取り付けられ、ホイールアーチ後方には大型のエア・アウトレットが取り付けられている
・ ボディー剛性の強化とボディー・マスの最適化に貢献する固定ルーフ・ボディ・スタイル
? 太いリアタイヤを収めるためのフレア付の拡げられたリア・フェンダー、およびフロントのエア・アウトレットと視覚的にバランスが取られたホイールハウス前方のブレーキ冷却気取入口
・ リア・フェイシア最上部で、ハイマウント・ストップランプを収めた高めのリア・スポイラー
・ 10本スポークのホイール(フロント18インチ、リア19インチ)
・ 太い4本出しステンレス製テールパイプ
・ カーボン製フロント・フェンダーの新デザインZ06エンブレム
Z06の空力特性は、高速安定性とコーナリング能力が最優先されるコルベット・レーシング・プログラムでの経験から外形を形作って得られたものである。レーシング・カーが大型のリア・ウイングを使っているにも関わらず、Z06はボディー後部を持ち上げた形のスポイラーしか備えていない。しかし、これによって、空気抵抗を増やすことなく、またフロント・スプリッターの形状を公道走行に適したものにとどめた上で、必要充分なダウンフォースを得ることができたのである。Z06のCD値は0.31を達成している。
そのレース指向の機能性に比して、Z06は日常使用にも十分に使用できる高性能車として設計されている。その点から見ると、快適性と利便性については極めて高い基準を満たしている。例えば、HIDライティングシステム、フォグ・ランプ、レザー・シート、デュアル・コントロール・エアコン、外気導入フィルター、およびレース・モードとGメーターを備えたヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)が標準装備されている。
また、Z06では計器パネルが再設計され、レッドゾーン7,000回転のタコメーターには?Z06?のロゴが表示され、ドライ・サンプ潤滑システムの高い油圧に合わせて、油圧計表示部の目盛が改められた。そして、他の2006年型コルベットと同じく、Z06はクイックなハンドリング性能を重視した、小径3本スポーク・ステアリング・ホイールを備えている。レザー・シートはツートン・カラーとされ、Z06の刺繍およびコントラストのはっきりしたステッチが施された。
しかし、そうした快適装備の数々にもかかわらず、エンジニアたちは軽量化と高性能を達成するために、以下のような装備を犠牲にしている。シートはスタンダード・モデルのものよりも軽量化され、コーナリング時のホールド性を高めるためにサイド・サポート部が高くなっている。アジャスト・モーターの重量を節減するため、助手席はマニュアル・シートとされた。また、重量低減とパワートレインの音による情報を得やすくするために防音装備が簡略化された

