CORVETTE RACING:C1
初代コルベット(C1)の誕生は1953年のこと。
当時、アメリカ市場において大人気を博していたジャガーなどのヨーロッパ製スポーツカーに対抗する、本物のスポーツカーとして登場した。
もっとも当初は通称“ブルーフレーム(青い炎)シックス"と呼ばれる直列6気筒エンジンにオートマチックトランスミッションのみという設定で、どちらかといえばGT的性格の濃く、モータースポーツに適応したものとは言い難かったのが実際のところであった。
ところが、スポーツカーとして理想的な成り立ちをもつC1コルベットをモータースポーツ愛好家およびチューナーたちが放っておくはずもなく、たちまちさまざまなチューンナップキットが市場を賑わした。
その結果、いよいよGMにもコルベットを本物のスポーツカーとして進化させる機運が立ちこめ、55年に待望のV8エンジンを搭載することとなる。
そして56年以降はV8モデルのみとなって現在に至るのだった。
56年はコルベットワークスレースカーがコンペティションシーンに登場した記念すべき年である。
1月に開催されたデイトナ・スピード・トライアルに2台のC1コルベットレーサーが出場。
さらに3月に開催された“セブリング12時間レース"には合計5台のコルベットSR(セブリングレーサー)がエントリーし、総合9位&クラス優勝を納める。
その後、セブリング12時間はコルベットレーサーの主戦場となった。
57年モデルからさらなるハイパフォーマンスを手に入れたC1コルベットだったが、これは紛れもなくモータースポーツへのワークス活動の恩恵であり、市販モデルで十分にレース出場に叶う性能を持ち合わせていた。
多くのアマチュアレーサーたちがC1コルベットを駆ってSCCAプロダクションレースに出場し、コルベット=アメリカンスポーツカーの誇り、という図式を確立してゆく。
60年にはル・マン24時間レースに初エントリーされた。カニンガムレーシングより出場した1台が総合8位に入賞している。
その後C1ベースのレーシングカーはSR2、SSへと発展。
さらにはC2への世代交代を物語る伝説のスティングレイ・レーサーを生みだした。
コルベットというクルマは、そもそもの成り立ちがスポーツカーとして高いポテンシャルを秘めたものであった。
その高性能さがモータースポーツによって実証され、さらに市販車へフィードバックされるという図式は、紛れもなく一級のスポーツカーにだけ許された“方程式"である







