歴代コルベットはワイルド&ハイパワーを全面に押し出す、独自の路線で歩んできた。
ところが、1997年にデビューした5代目(C5)ではすべてにおいて“洗練性”が引き立っている。
“時代”が求めるスポーツカーのカタチが変わりつつあるのだろう。
フレームは1本のスチールから形成された、ペリメーターフレームを採用。
GMが独自に開発した高圧流体プレスによってプレス成型している。
ボディ剛性の向上、軽量化などのメリットがある。
また、ドライブトレーンはフラットに配置できるので、広い居住空間とラゲッジスペースを実現した。
エンジンは最高出力350ps/5600rpm&最大トルク48.4kg-m/4400rpmを誇る伝統の5665ccV8OHV。
トランスミッションには4ATのみを組み合わせている。
ボディタイプはクーペとコンバーチブルの2タイプ用意。
クーペにはトルクを51.8kg-mに向上させ、6MTを組み合わせるZ51も設定されている。
1997年にデビューしたC5。
GMが独自に開発した高圧流体プレスによってプレス成型(ハイドロフォーム)され、1本のスチールパイプからなるペリメーターフレームを採用。
GM渾身の意欲作であることがうかがえる。
このフレームにより、ボディ剛性が高まり、車両重量は旧型に比べ40kgも軽減された。
また、ドライブトレーンをフラットに配置できるので、広い車内やラゲッジルームを確保。
当初、ボディタイプはクーペのみの設定だったが、98年にコンバーチブルも追加した。
5735ccV8エンジンは、シボレー史上初のオールアルミエンジンブロックを採用。
電子制御スロットルも備え、旧型エンジンに比べ最高出力+50ps、最大トルク+1.4kg-mを実現した。
サスペンションには前後ダブルウィッシュボーン式。
ステアリング・システムには、車速に応じて操舵力を最適に確保するマグナステアIIを搭載している。
また、優れたハンドリングを実現するために、トランス・アクスル方式を新たに採用。
これはトランスミッションをデフとともに後部車軸に置く方式を指し、前に備え付けられたエンジンとのバランスを最適にできるメリットがある。
事実、C5の前後重量配分は51:49で、理想的な50:50とほぼ変わらない。
99年式では、新たにアクティブ・ハンドリング・システムを標準装備。横滑りをクルマが検知し、いずれかの車輪に適切にブレーキをかけ車両の挙動を修正するアクティブ・セーフティ機構だ。
また、サスペンション・システムに3段階切り替え式で、路面の状況に応じショックアブソーバーの減衰力を調節するリアルタイムダンピングも採用。
フラットな乗り心地を常に維持するようになった。
2000年には、あのハイパフォーマンス・スポーツモデルのZ51が投入されることになった。
ノーマルよりも太いスタビライザーと、強化された足回りをもつパフォーマンス・ハンドリング・パッケージを採用。
ちなみに車両重量はノーマルより10kg軽い。
2001年には装備内容を見直し、軽量かつ耐久性に優れた新型バッテリーを採用。
2002年には、全モデルともインテークマニホールドの形状を改良した。
これにより、クーペとコンバーチブルの最高出力は355ps/5200rpm&最大トルクは49.8kg-m/4000rpmに向上。
Z51は、最大トルク51.8kg-mとなった。
昨年10月には、コルベット誕生50周年アニバーサリーモデルが発表された。
日本に輸入されるのは、クーペとコンバーチブル合わせてわずか20台。
特別装備として、専用ボディカラー、専用インテリアカラー、シャンパンゴールドホイール、フェンダーバッジ、50周年アニバーサリーロゴ刺繍入りシートバック&フロアマットなどを備える。
また、ハード面では、新サスペンションのマグネティック・セレクティブ・ライド・コントロールを採用。
これはGMが1970年代から研究を開発し、今回初めて量産化に踏み切る画期的なサスペンション・システムだ。
路面の状態に応じて、磁力を用いてダンパーの減衰力を1/1000秒単位で可変させることで、最適な乗り心地と操縦安定性を両立させる。
「Sport」および「Tour」の2モードをもち、ボタン操作で切り替えが可能。後に、2003年モデルにも標準装備されることになった。
常に時代の最先端を歩むコルベットは、5代目になってもその勢いは衰えない。
途中、オイルショックや排気ガス規制などのハードルを乗り越え、アメリカ唯一の本格スポーツカーとしての地位を揺ぎないものとしてきた。
ワイルド&ハイパワーというレッテルを自らが貼り付けてきたコルベットだが、いつの時代でも先端技術を積極的に採用し続けた。
C5でも走行性能を高める技術武装は止まらず、ようやく洗練性をも手にしたのだ。
この新しい路線で、C5がどのように進化していくのか今後の期待は高まるばかりだ。






